サン・ベア&ワブン・ウインド・著 加納眞士・三村寛子・訳 扶桑社
●私には、
世界の人口の約四分の一の人々が生き残るのが見える。
生き残る人々はすべて高尚な意識に目覚めるだろう。
私の仲間も偉大な霊的な指導者たちが現れると信じている。何人かはすでにここにいる。
この指導者たちが、
変化の時代を通して人間の意識を導く手助けをしてくれるだろう。
その後、
私たちはすべてに対してまったく違う意識を持つようになるだろう。
これがあらゆるレベルの浄化の時であり、
浄化が完了されたときには、
今ある多くのものがもはやこの世に存在しなくなるだろう。
●白人が我々の生き方を理解しようとしないのは、
わかっている。彼らにとっては、
この土地もあの土地も同じなのだ。
彼らは、
夜にやってきて、
必要なものをすべて奪っていくよそ者である。
地球は、
彼らにとっては、
兄弟でなく敵なのだ。
征服しては、
ただ前進していく。
彼らの食欲は尽きることなく地球を貪り食い、
彼らが通ったあとは砂漠しか残らない。
●空気はインディアンにとって貴重なものだ。
動物も木も人間も、
すべてのものが同じ空気を吸って生きている。
だが、
白人たちは、
自分たちが吸っている空気に気づかない。
何日も死んでいた人間のように、
嗅覚が麻痺しているのだ‥‥。
‥‥わしは、白人に汽車の中から撃たれて、
そのまま大草原に放置されて腐ったバッファローの死体を何千も見た。
彼らは、
生きるためだけにバッファローを殺す我々を野蛮人だという。
煙りを吐く鉄の馬の方がずっと大切だということが野蛮人だから理解できないのだと言う。
●同胞よ、
動物がいなくなって、
何が人間だというのか?
もし、
すべての動物が地球からいなくなってしまったら、
人間はひどい孤独感で死んでしまうだろう。
動物に起こったことは、
いずれ人間に起こるからだ。
すべての命は、
つながっているのだ。
‥‥我々が子供に教えてきたことを、
自分たちの子供に教えるがいい。
地球が自らの母であることを伝えるのだ。
地球にふりかかる出来事は、
その子どもたちにふりかかるのだということを。
人間が地球に唾を吐けば、
自分自身に唾を吐いていることになるのだということを。
●我々にわかっていることは、
地球は人間のものではないということ。
人間が、
地球のものなのだ。
そして、
すべてのものが一つの家族を結ぶ血のようにつながっているということである。
すべては一つに結ばれているのだ。
地球にふりかかる出来事は、
その子どもたちにふりかかる。
人間が命の糸を編んでいるのではない。
人間はその中の一本の繊維にすぎない。
人間が本体の織物にしていることは、自分にしているのと同じである。
●友人のように共に歩き語る神を持つ白人でさえ、
共通の運命から逃れることはできない。
結局、
我々は兄弟だったのだと、
いずれわかる時がくる。
一つ確かなことは、
いつか、
我々の神が、
白人が崇めていた神と同じものだったとわかるときが来ることだ。
今は、
我々の土地を望んだように、
神を自分たちだけのものだと思っているだろう。
だが、
それはできないことなのだ。
神とは人間の神であり、
神の慈悲は、
赤色人種であろうと白色人種であろうと平等に与えられる。
神にとってもこの地球は大切なものである。
地球を傷つけることは、
その創造主を侮辱することだ。
白人もやがて死ぬときが来る。
白人は、
我々より早く滅び去るだろう。
自分の寝床を汚していけば、
自分が出した排泄物の中で、
ある夜、
窒息死することになるだろう。
●しかし、
白人が死ぬとき、
白人をこの大陸に導き入れ、
ある特別な目的のためにこの大陸とインディアンを支配する力を与えた神の力ある手により、
白人に火がつけられる。
それは、
まぶしいほどの輝きとなるだろう。
なぜ、
神が白人をこの土地にもたらしたのかは謎のままである。
●バッファローが、
いつ全滅させられたのか、
いつ野生の馬が飼い馴らされたのか、
いつから、
深い森の神秘の世界にまで白人の匂いがしみこんでしまったのか、
いつから、実りの深い山々が電線だらけになってしまったのか、
何もわからない。
雑木林は、
どこにあるのか?
消えてしまった。
鷲たちは?
消えてしまった。
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