Button 0Button 1Button 2Button 3Button 4Button 5Button 6Button 7

アセンション研究所 

「超呼吸法」ワークショップのインフォメーションはここをクリック !!



Button 132 Button 134 Button 135 Button 136



クェーサー  ( 200/9/7 )




クェーサー



「クェーサー」の語源は準恒星状天体の意味



1960年、

天文学者のマシューズとサンテージは、3C48という電波源が星のように点状であるのに、

極めて大きく赤方偏移したスペクトルを示すことに気づき、

このような天体を準恒星状天体という意味の名の頭文字を取ってQSO、

略してクェーサーと名づけました。



クェーサーは、

きわめて遠方にあって膨大なエネルギーを放出する、

活動の激しい銀河と考えられています。



これまでに4,000個あまりのクェーサーが見つかっていますが、

現在、

赤方偏移のもっとも大きなクェーサーは、

りょうけん座のPC1247+3406で、

実に光速の94.4%もの速度で遠ざかっています。





クェーサーのエネルギー源は通常の銀河の100倍



クェーサーの多くは数ヵ月から数年で光や電波のスペクトルが変化し、

太陽系よりやや大きいくらいに過ぎません。



けれども、

クェーサーから放たれるエネルギーは通常の銀河の100倍もあり、

巨大なブラックホールがエネルギー源だと考えられています。





クェーサーの正体は活動の激しい銀河



クェーサーのその他の特徴としては、

普通の銀河の数の1/100万個程度しか存在しないこと、

また、

X線や赤外線の放出があることなどがあります。



クェーサーの正体は、

銀河の進化の途中に、

中心部分がなんらかの理由で活発になったものと考えられています。



最近では、

CCD(固体撮像素子)を使った観測で、

65億光年の距離にほぼ一列に連なる13個のクェーサーが発見されています。



銀河形成プロセスの解明に大きく貢献





また、

京都大学のクェーサー観測グループが、

1994年から1995年にかけて野辺山宇宙電波観測所でおとめ座のクェーサーBR1202−0725の観測を行い、

多量の一酸化炭素分子の存在を発見、

1996年7月に発表しています。



これは、

これまでに分子が検出された天体としてはもっとも遠いだけでなく、

一酸化炭素の量は太陽質量の1,000億倍と膨大なもの。



宇宙初期に形成されたクェーサーに一酸化炭素が多く存在することは、

星の誕生、

そして死がすでに繰り返されていることを示しており、

銀河形成プロセスの解明に貢献するものと考えられています。





-------------------------



広がった構造を持たないコンパクトな点状天体です。



QSOということもあります。





天文学の初期のころには、

星と分類されていました。



その後、

分光の技術が発展してくると、

可視光で強い“輝線”を持ち、

光度の変動が激しいなど、

通常の星とは違う性質があることがわかってきました。



電波以外に、

赤外線、

X線でも際立ったエネルギーを放出しています。



点状天体ではあるが恒星とは異なるため、

当初は「準恒星状天体(Quasi Stellar Object)」(準星)と呼ばれていました。



現在はそれを縮めてクェーサーと呼んでいます。





最大の特徴は、

非常に大きな赤方偏移を示していることです。



クェーサーは、

きわめて遠方にある明るい活動銀河(の中心核)だと考えられています。





-------------------------



クェーサーとは



「クェーサー(quasar)」とは「準恒星状電波源(quasi-stellar radio source)」の略称であり最初のクェーサーは強い電波源としてまず見つかりました。



1960年代の初めこの電波源の正体を見つけるために観測が行われ、

いくつかの電波源の場所に青い恒星状の天体があることがわかりました。



1963年にアメリカのパロマー山天文台のカール・シュミットは電波源3C273の観測データを調べこの天体が、

強い赤方偏移を示すことを発見しました。



その赤方偏移がその天体までの距離を示すものであるなら、

何と我々から約19億年の距離にあることを明らかにしました。



その後の観測により、

このような恒星状に見える天体がいずれも強い赤方偏移を示しており、

また極めて変光が強く、

中には一日ぐらいの短い時間で放射の強さが変わるものもある事がわかりました。



この奇妙な性質は、 天文学者を大いにあわてさせたのです。



これらの赤方偏移がその天体までの距離をあらわすなら、

これらの天体は通常の銀河の千倍以上もの莫大なエネルギーを放出していなければならず、

かつ 変光の時間の短さはそれらがごく狭い領域から放射されていることを意味していました。



そして、

遠くにしか観測されないという分布の偏りを持っていたのです。



ビッグバンを支持する者にとってはこれは好都合でした。



彼らは、

膨張宇宙を信じているわけですから、

その根拠である赤方偏移を遠い銀河までの距離の測定方法として正しいものとしています。



それゆえにクェーサーの示す赤方偏移が、

そのままクェーサーの存在する位置をあらわしていると考えました。



またビッグバン宇宙では、

遠方ほど宇宙の時間をさかのぼって初期の宇宙の姿を見ていると考えていますから、

宇宙が無から生じ時間の経過とともに進化していくのであれば、

当然現在の宇宙と昔の宇宙の姿は異なっていることになります。



つまり、

近くに見える宇宙と、

遠方の宇宙の姿は異なっておらねばならず、

クェーサーが遠方にのみ、

つまり昔にのみ存在するということは、

彼らにとっては理にかなっていることだったのです。



それに対して、

定常宇宙論者にとっては宇宙の姿は昔も今も代わらないのですから、

クェーサーが遠くにしか存在しないという考え方は到底受け入れることができません。



それで、

定常宇宙論者は、

クェーサーが示す赤方偏移は、

クェーサーまでの距離を示すものではないと考えました。



1964年J.テレルは、

すべてのクェーサーは、

近隣にある銀河の核から放出された近距離の天体にすぎず、

その赤方偏移は宇宙の膨張によるものではないという説を発表しています。



またフレッド・ホイルらは1966年には、

クェーサーが中心部の極めて小さい領域からエネルギーを放出しており、

当時の常識としてそのような小さい領域から銀河の1000倍にも達するエネルギーを放出するメカニズムが存在しなかったため、

クェーサーが実際にはごく近く、

せいぜい3000万光年以内の天体であると考えました。



クェサーがもし近くの天体であるなら銀河の1000倍もの放射は必要ないからです。





クェーサーはいかにして誕生したか



このように、

非常に論議の多いクェーサーですが、

その後のビッグバン支持者の天文学の世界における勝利により、

クェーサーの示す赤方偏移は地球からの距離を示しており、

宇宙誕生の初期に生成され、

今や姿を消してしまった天体という考えが一般的には正しいとして認知されるようになってしまいました。



そのように定義されてしまった天体ですが、

最近の観測によりいろんなことが明らかになってきました。



そのような中で、クェーサーの誕生がどのようにしてなされたかという仮説も生まれてきたのです。



その中の一つををここで紹介しましょう。



( ギャラクシー・インフェルノ 谷口義明 ニュートン別冊 銀河系の彼方へ P182−P189 1990年 教育社)以下引用



クェーサーほどの赤方偏移をもたずクェーサーとよく似た性質をもつ銀河がある。



クェーサーの発見の20年前にアメリカのカール・セイファートが見つけたもので、

彼の名にちなんで(セイファート銀河)と呼ばれている。



セイファート銀河の中心核は異常に明るい。



そこでクェーサーも活発な銀河中心核による現象であることがわかった。



セイファート銀河とクェーサーでは、

規模こそ違うが物理学的には同じ現象が起こっていると考えられる。



両者はまとめて「活動銀河核」と呼ばれている。



両者は見かけの違いのほか、

明るさでも区別され、

絶対等級がマイナス23等より明るければクェーサー、暗ければセイファート銀河と分類されている。 



非常に電波の強いクェーサーは楕円銀河銀河中心核に、

そして比較的電波の弱いクェーサーは渦状銀河の銀河中心核に発生していることが調べられている。



1980年代になり、

カナダのハッチングスらはハワイ島マウナケア天文台の望遠鏡で近距離にあると考えられる約80個のクェーサーを観測し、

多くのクェーサーの母銀河の形が歪んでいること、

そして半数近くのクェーサーが近くの銀河と相互作用しているような兆候があることがわかった。



そして1980年代中頃にはクェーサーと銀河間相互作用の関連を示すデータが次々と出てきた。



またアメリカのW.キールらはセイファート銀河が孤立した銀河の中よりも

相互作用銀河の中に多く見られることを示した。



銀河間相互作用は銀河に「テール(尾)」や「ブリッジ(橋)」をつくり、

銀河の構造に影響を与え、

これら構造物が銀河中心核に作用し活動銀河へと進化させる可能性が出てきた。



1983年に打ち上げられた、

赤外線天文衛星IRASは、約2万5000個もの銀河を遠赤外線で検出した。



これらの銀河が放出する遠赤外線は、

銀河の強力なエネルギー源に暖められた塵からできていると考えられた。



これらの銀河の中には、

90%以上のエネルギーを遠赤外線として放出している「赤外線銀河」という奇妙な銀河が含まれていた。



これら赤外線銀河はパロマー山天文台の望遠鏡でサンダースらにより調べられた。



この中でも特に明るい10個の銀河が着目された。



これら銀河が放出する赤外線は通常の銀河の100倍以上も強い。



またスペクトル観測の結果、

クェーサーによく似た特徴も見いだされた。



赤外線銀河はクェーサーやセイファート銀河にみられる活動銀河核をもっているのではないかと考えられている。



赤外線銀河は通常の銀河が含む10倍以上もの分子ガスを含んでおりしかも形態がたいへん特異で、

銀河間相互作用でつくられたと考えられる。



テールやリング、ジェットのようなものが見られる。



また約半数の赤外線銀河には銀河中心核が2個存在する。



このような特徴は赤外線銀河が銀河どうしの合体によってできたものであることを示す、

とサンダースらは考えた。



2つの銀河が衝突すると、

銀河円盤内の分子ガスはエネルギーを失って銀河中心核領域へと落ち込んで行く。



銀河中心核の近くでは分子ガス雲の密度が上昇し、

ガス雲どうしの衝突が頻繁に起こる。



この衝突で発生する衝撃波が分子ガス雲を圧縮し、

爆発的な星の生成を引き起こす。



それと同時に銀河中心核に大量に物質が吸い込まれ、

活動銀河核現象が起きる。



銀河中心核の近くには分子ガスだけでなく大量の塵も存在する。



大質量星や活動銀河核からの放射で温められこれらの塵が赤外線を放射しだす。



これが赤外線銀河の誕生である。



銀河中心核近くのガスや塵は超新星爆発等によって吹き飛ばされやがて活動銀河核だけが見えるくるようになる。



それがクェーサーであるという。



これらの説は現在完全に検証されたわけではないが、

クェーサーやセイファート銀河、

赤外線銀河の大部分が銀河間相互作用の産物であることはほぼ間違いのないことのように考えられています。



またこれらの天体は、性質がよく似た兄弟のような天体であるのか、

または一つの天体としての違う時期を見ているにすぎないのかもよくわかっていません。



さらにクェーサーが進化して普通にみられるような銀河に変化していくのか、

それともクェーサーが普通の銀河とは全く違う別個のものであるのかもまだまったくわかっていないのです。





クェーサーは本当に宇宙の初期にのみ存在したのか



さてクェーサーが銀河の衝突により生じた天体であるなら、

クェーサーが宇宙の極めて初期に最初に作られた天体であるとする従来の考え方には、あわなくなってしまいます。



なぜなら、

クェーサーがつくられる前に既に銀河の存在を必要とするからです。



これでは普通の銀河の方が、クェーサーより初期の天体であることになります。



またもし普通の銀河から生じるのであれば、

今この瞬間にもクェーサーがつくられてもいいはずなのにまるで地球上の恐竜のように、

既に数億年前に絶滅したとされています。



そして、

クェーサーのごく近い親戚もしくはクェーサーそれ自体の違う時期を観測していることになるかもしれない

セイファート銀河が我々の銀河の近くに存在していることは矛盾を感じさせます。



ビッグバンモデルが正しいとした場合これを説明するには

クェーサーが絶滅した後そのクェーサーがセイファート銀河に変化したと考えるべきなのでしょうか。



それとも宇宙の性質がここ数億年の間に激変し銀河が相互作用をしてもクェーサーでなく

セイファート銀河しかつくれなくなったというのでしょうか。



どちらにせよビッグバンモデルに従えば宇宙は最近になって大きく性質が変わったということを認めない限り

これらの問題に対して説明がつきません。



このような数億年ぐらい前に生じたかもしれない宇宙の性質の激変は、

宇宙の進化に厳密な同調を要求します。



このためには宇宙に存在する銀河やクェーサーの均一性が必須となるはずです。



それを欺くかのように、

宇宙にはいろいろな種類や大きさの銀河が存在しており、

そしてクェーサーの多様性が明らかになっています。



約150億年の年齢を持つと言われる宇宙が一斉に性質を変化させたとはとても考えがたいことです。



ここで注意していただきたいのは、

これらの天体の宇宙における年代のすべてが、

これら天体の赤方偏移のみに基づいて推測されているということです。



ここで、

重要な仮説を取り入れることにしましょう。



それは、

後で紹介するあホールトン・アープという天文学者が提唱した説ですが、

クェーサーが固有の性質として赤方偏移を本来もっているとするのです。



そうすれば、

観測された赤方偏移は距離による赤方偏移に固有の赤方偏移を加えたものとしてあらわれることになります。



もしこの考え方が正しいのであれば、

すべての矛盾は消失します。



セイファート銀河はほとんど固有の赤方偏移を持たないために、

主として我々の銀河の近傍で観測されたことになりますが、

クェーサーは固有の赤方偏移をもっているために、

たとえ近くに存在したとしても離れて、

つまりは過去にのみ存在したように観測されるのです。



クェーサーに多様性が認められるように、

クェーサーの固有の赤方偏移にもある程度の多様性は存在するものと予想されます。



このような仮説を受け入れるならば、

クェーサーやセイファート銀河の宇宙における分布の矛盾点は解消され、

クェーサーの進化についても説明が可能となります。





クェーサーとホールトン・アープ



このような、

クェーサーが固有の赤方偏移を持っているという考えが、

果たして正しいのでしょうか。



それは観測により確かめられるべきことです。



そしてクェーサーの赤方偏移が距離に関係しないその天体固有の赤方偏移を含んでいることを示す証拠として、

全く異なった赤方偏移を示す天体が

これらのクェーサーと物理的につながっている兆候を見せているケースがあることを提示した天文学者がいます。



その人は、

先ほども出てきたホールトン・アープという世界的に有名な天文学者です。



さてここでホールトン・アープの略歴を紹介することにしましょう。



彼は、

1949年にハーバード大学を卒業し、

1953年カリフォルニア工科大学から博士号を得ました。



その後約30年にわたってウィルソン山天文台と、

パロマー天文台で観測研究をしました。



1987年からは

、ドイツのマックス・プランク地球外物理学研究所の研究員となっています。



観測天文学者としてのアープの名は世界的に知られ、

その業績は広く世界に認められています。



特に1963−1966年の間に観測した写真をまとめた、

「特異銀河アトラス」はたいへん有名です。



彼は、

その天文学での活動に対して、

アメリカ天文学協会から「ヘレン・ワーナー賞」を、

アメリカ科学振興財団から「ニューカム・クリーブランド賞」を授与されています。



また、

1980−1983年には太平洋側の天文学者組織、

パシフィック天文学協会の会長を努め、

翌1984年にはその業績によって「アレクサンダー・フォン・フンボルト上級科学賞」を贈らています。  



このように彼は、

天文学において輝かしい業績を持ち、

特に特異な形態を持った銀河については、

世界の権威として称えられていました。



しかし、

クェーサーの赤方偏移については、

主流を占める宇宙の膨張によるとする考えに反対し激しい論争を行っています。



これについては

(最新科学論シリーズ5 最新天体論 同シリーズ19 最新宇宙進化論 学研、

別冊宝島138 宇宙論が怪しくなる本 JICC出版局)に詳しくあります。





アープは、

特異な銀河を観測するうちに天文学会からは異端とされる説にたどり着きそれを主張したのです。



そのような説にたどりつくまでをここに示してみましょう。 



彼は、銀河の誕生と進化を探るには、

変わった姿を示している銀河を多数観測する必要があると考えました。



我々がよく見る銀河の姿が完成され安定した銀河であるならば、

変わった姿をした銀河こそが、

銀河の進化の途中を示しそれを観測することにより、

銀河と言うものがどのように進化するのかが分かると考えたわけなのです。



そしてその観測結果を「特異銀河アトラス」として本にしました。



さらに彼は特異銀河のなかの、

銀河の渦状肢に随伴銀河を伴った巨大銀河の研究に取り組みました。



1970年、

彼はNGC7603という大きな銀河とその随伴銀河の赤方偏移値が著しく異なっていることに気がつきました。



随伴銀河の方が遥かに速い後退速度を示したのです。



大きな銀河の方の赤方偏移は秒速8700キロメートルの後退速度を示し、

随伴銀河の方は秒速1万7000キロメートルを示しました。



通常の解釈に従えば随伴銀河は大きな銀河のはるか後方の宇宙に存在することになります。



しかし長時間露光による最も優れた写真は両者のはっきりした結び付きを見せていました。



大きな銀河は、

ただ一本の腕を伸ばし、

それはまっすぐ随伴銀河まで続いているのです。



そして、大きな銀河からの腕が随伴銀河に接触する部分で、

随伴銀河の縁が強く輝いていたのです。



そのほかにも、

アープは多数の赤方偏移の異なる天体の対の例を示しましたが、

その中でも最も有名な例は、NGC4319と呼ばれる銀河とマルカリアン205と呼ばれるクェーサーの例です。



マルカリアン205の赤方偏移が示す後退速度は秒速2万1000キロにも達していましたが、

それに隣接して存在する銀河の赤方偏移は1700キロにしかすぎなかったのです。



この、

2つの近接した天体を1971年、

アープはパロマー山の望遠鏡で観測し、

この2つの天体を結ぶ橋がかかっていることを発見しました。



遠方にあるクェーサーと手前にある銀河がただ偶然の一致でそのような連結部があるように見えているのかどうかが問題になりました。



見かけ上のものであるとする人達は、

この連結が、

異なった距離にある天体から放たれた光が偶然の一致で同一線上に並んだにすぎないと説明しました。



しかし、

1982年アラバマ大学のジャック・サレンティックは、キットピーク国立天文台とパロマー山天文台による7枚の写真にコンピューター画像処理技術を施し、

画像を重ねて処理することにより、

境界のくっきりしたせまい連結部が、

より幅の広い連結部のさらに内側に存在することを示しました。



またこの橋は正確に両者の中心部の核を結んでいたのでした。



ただ両者の赤方偏移が非常にくい違っており、

従来の赤方偏移の解釈では説明できない現象なのです。



この極端に違った赤方偏移を持つ2つの天体が物理的連結を持つ証拠が間違いのないものであるなる、

赤方偏移は銀河までの距離によってのみもたらされるものではなくなります。



赤方偏移で銀河やクェーサーやまでの距離を類推することは正しい方法ではないことになるのです。



1970年代以降の観測技術の進歩に伴い、

このような銀河とクェーサーのペアはどんどん確認され続けました。



1990年にまとめられたリストでは相互に10分の視線角度に接近した500の銀河と567のクェーサーが記されるまでになりました。



その中でも2分以内の銀河とクェーサーのペアは110対が確認されています。



すべてのクェーサーがランダムに全天に散らばっているとすると、

その確率は最大で2組にしかならないということなのです。



そしてそのようなペアの中に物理的な橋が架かっているものがあるという観測事実は、

偶然にそのように見えるだけという説明では到底納得のいかないものです。 



アープは彼の考えを裏付ける大量の証拠を集めたのですが、

それらを検討した結果「クェーサーは宇宙の最も遠くにある天体ではなく、

比較的近くにある銀河と空間的につながりをもった天体である。」



「クェーサーのもつ赤方偏移は宇宙の膨張によるのではなく、

その天体のもつ固有の性質に寄るものである。」



また、

「活動銀河の中心核がクェーサーを放出し、

これが新しい物質の創造に関与しているかもしれない。」と考えました。



これらのアープの主張は主流派から排斥され、

彼の論文は専門雑誌に掲載することを拒否されたのです。



さらには観測を妨げられ、

1983年にはパロマー天文台での観測を公式に拒絶されてしまいました。



残念ながら、アメリカにおいてもビッグバン宇宙を否定するような異端的仕事をしている者に対しては、

このような悲劇が待っていたのです。



自由の国であるアメリカですらこのような状態ですから、

日本ではビッグバン宇宙に対して反対意見を持つ者がいても、

それを公の場で発表するものはほぼ皆無です。



もしそのようなことを発表すれば、学会における自分の地位が危うくなり、

排除されることはまちがいないことです。



ビッグバン宇宙を信じている人々にとって、

それに反する観測データを発表し続けるアープは、

邪魔者であり、

排除する必要があったわけなのですが、

アープが観測データを捏造し自分の説に合うようにしたのであるならば、

このような排除は仕方がないものでしょう。



しかし彼は決してそのようなことはしていません。



ただ特異銀河についての詳しい観測データとそれについての自分の考えを発表しただけなのです。



クェーサーのような活動銀河核をもつ天体がクェーサーの誕生の説として先に示したように銀河の相互作用によって生じるなら、

当然クェーサーの周辺に他の銀河が存在することの確率は高いはずです。



そのような周辺の銀河はクェーサーとの相互作用によって特異銀河になっているはずです。



クェーサーの真の位置をそのクェーサー自体の赤方偏移によって決定することはフェアーな方法ではありません。



クェーサーの真の位置を確かめるためには、

特異銀河と相互作用を示すクェーサーを観測するのが一番なのです。



その特異銀河とクェーサーが確かに相互作用をしており真に近い位置に存在することが証明できれば、

特異銀河までの距離こそがクェーサーまでの距離となります。



このような方法によってしかクェーサーの真の位置を確定する方法はないのではないでしょうか。



まさに特異銀河についての第一人者であるアープこそが、

事実を明らかにすることができる最も重要な人物なのです。



このような人物を排除した天文学界というものに一体真実を究明するという力があるのでしょうか。



宇宙のすべてについての法則を明らかにするのが、

物理学であるならば、方法論として、

自分達と異なった意見を持っている人達を排除するという方法は、

真の法則を明らかにするという道を閉ざすものであり間違っています。



残念なことにアープの追放によって、

このような異常な天体現象についての観測はほとんど行われなくなったということです。



反対意見を持つ人が排除されたという以上にこれは問題です。



病的な銀河を調べることこそが、

正常とされる銀河の仕組みを解明する上での大きな手掛かりになるはずです。



このような有効な手段を放棄することは天文学においての大きな損失です。





クェーサーの赤方偏移の原因について



さてアープはクェーサーは固有の赤方偏移を持っていると考えたのですがもしその様なものを持っているとしたらその原因は何にあるのでしょうか。



それについて簡単に考えてみましょう。

/> 原子はある状態から別の状態に遷移するときに一定の波長の電磁波を放射します。



このような放射が天体から放射されるとき、

我々はそれを輝線として観測します。



そしてその輝線が本来の波長からずれてより長い波長、

つまりエネルギーを失った状態として観測される時、

これを赤方偏移といいます。



このような赤方偏移が起こりうるのは、

放射源が後退しているとき、

放射源が強い重力を持つとき、

そして放射されてから観測地点までの間でコンプトン効果を受けたときが考えられます。



(赤方偏移の章においてはさらに宇宙全体の湾曲による可能性を考えています。)



従来の考え方によれば、

クェーサーの示す赤方偏移はすべて、

放射源の宇宙の膨張による後退によるとされています。



そして赤方偏移は、

そのクェーサーまでの距離を表すものと考えているのです。



クェーサーが非常に質量の密集した天体であるならば、

その質量による重力で赤方偏移をもたらす可能性があります。



また、

コンプトン効果とは波長の短い電磁波が物質に当たりエネルギーを減らして前より長い波長になって散乱することをいうのですが、

クェーサーの輝線を発する物質の周囲にコンプトン効果をもたらすような物質が取り巻いているなら、

クェーサーは距離とは関係なくその天体に固有の赤方偏移を持っているはずです。



実際、

定常宇宙を唱えるフレッド・ホイルは過剰な赤方偏移の原因としてこのコンプトン効果を上げています。 このように、

赤方偏移が、

その他の原因によっても起こる可能性があるにもかかわらず、

それらは全く考慮されようとしていません。



とにかくクェーサーについては、

わからないところだらけの状態でとても古い昔に絶滅してしまったと断言できる状態ではないのです。



今の所はもっと詳しい観測結果が得られることを期待するだけです。

   

 




Site logo

© 2007 アセンション研究所 All Right Reserved.


精神世界ランキング