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宇宙多重創生論 ( 200/8/8 )




宇宙多重創生論



宇宙においてビックバンを生じる機構としては、



無であると考えられる真空からエネルギーの量子トンネル効果によって、



エネルギーがある『3次元時空連続体(=4次元)』(※)において、



一箇所に集まる。







宇宙大の大きさのエネルギーが生じるためには、



真空におけるエネルギー効果が必要である。







真空におけるエネルギーが一箇所に集まる確率は、



全宇宙に存在する質量をエネルギー換算し、



かつまた、



全宇宙における今のエネルギーを加算し、



それをプランク距離レベルにて生じていると思われるエネルギーにて割った値に相当する。







つまり、



それだけ極小の確率によって、



この宇宙は誕生したのである(オカルト等で提唱されているフリーエネルギーと呼ばれるものは、



この値を大きく見積もりすぎである)。







この時、



その一箇所に集まったエネルギーは、



量子トンネル効果によって、



ある閾値を超えて一気に放出される。







これが、



ビックバンである。







この同じプロセスは、



ビックバンを生じた宇宙においても同時に起こりえる。







なぜならば、



超統一状態にあった力(重力+弱い相互作用+強い相互作用+電磁力+真空の揺らぎ)が分離するプロセスにおいても、



強い結合力にあった相互作用が、



分離する際においてエントロピー増大のプロセスにおいて開放され、



同じような量子トンネル効果を生み出すことによって、



母体となる宇宙から小ビックバンを起こし、



新たな宇宙を生み出す機構のことである。



(※)3次元時空連続体











現在標準とされている宇宙モデル=『アインシュタイン-フリードマン-ルメールモデル』によれば、



宇宙を構成する時空は4次元になる。







すなわち、



私達が知覚できる次元3次元+時間である。







より高い次元にて、



この宇宙を観測できたとすれば、



初期ビックバンは、



4次元全体においてエネルギーが満ち溢れ、



そのポテンシャルエネルギーによって、



空間全体が一気に拡がり始めるのを観測できると推定することが可能である。







あくまでも、



その自己膨張は、



内部からの観測によるものであり、



外部からの観測は不可能なのである。







これは、



観測的宇宙論からも明らかであるが、



宇宙膨張をもらたした情報は、



外部へ伝わらないためこのような現象が観測されるのである。











宇宙多重創生論によれば、



量子効果は多世界解釈となる。







多重創生された宇宙は、



それぞれ別々の因果律によって、



別れることになる。







なぜならば、



ビックバン以前の情報は別の宇宙に伝わることがないためである。







これは、



事象の地平線によって、



それぞれの宇宙が分離されるためであると結論できるためである。



すなわち、



事象の地平線を越えて、



それ以前の情報が別の宇宙に影響を与えることはないからである。







スーパーストリングス理論の性質からも明らかなように、



仮想粒子タキオンによって運ばれるべき情報は、



タキオン凝縮機構によって、



一つの宇宙にとどまる。







もしも仮に、



虚宇宙が存在するとすれば、



それはタキオン凝縮によって圧縮され、別の宇宙のインフレーション機構をもたらすことになる。







なぜならば、



虚宇宙のエネルギーそのものが、



タキオン(これは、



フォトンの反対の性質を持つはずである)と反バリオンとなるため、これらが圧縮されることによって、



虚宇宙は無くなり、



そのエネルギーは実宇宙へ移動し、



CP対称性の破れによって観測される、



実宇宙のバリオンをもたらすためである。もしも、これをインフレーション要因として捉えるならば、



このような現象が起こりえるのは、



重力である。







よって、



第一次インフレーション機構の原因となっているのは、



重力における対称性の破れによって生じていると結論できるわけである。







実際、



現在提案されている重力子はボゾンである。同じように対称性を持たない粒子として、



クォーク間を結びつけるグルーオンがある。







これらに関しては、



フォトンと同じように、



その粒子自体が反粒子の性質を持つ。







つまり、



第一次インフレーション機構の原因として、



「真空潜熱」と成りえるものは、



1 重力



2 強い力(強い相互作用)







等の分離の時期に生じたものであると結論できるわけである。







これによって、



生じたエネルギーが真空の量子トンネル効果をもたらすことによって、



母体宇宙から新たなビックバンを経て、



別の宇宙が誕生する可能性があるわけである。







つまり、



宇宙のエネルギー収支をきちんと測定することが可能であれば、



『宇宙多重創生論』は成り立つわけである。







現在のところ、



熱力学の法則によれば、



観測できる宇宙全体では、



エネルギー保存の法則が成り立つはずであるという前提によって、



全ての物理学は構築されている(宇宙原理)。







今後、



初期宇宙全体のエネルギー及びエントロピー(初期宇宙の大きさ)が測定されることによって、



現在提唱されている超統一理論



(スーパーストリングス理論・超対称性重力理論・量子重力理論(正確には、量子化重力理論))の検証が行われることになるだろう。







数理科学的には、



この宇宙多重創生論も含めて母体となる理論が同一理論に基づくものであることが立証される可能性すら否定できない。







なぜならば、



「真空の揺らぎ(真空のエネルギー)」がもたらす対生成・対消滅のエネルギーによって、



第二次インフレーション機構が生じているならば、



ニュートリノ振動による、



ニュートリノ質量を初めとした観測の結果との整合性が取れるためである。







第一次インフレーションに関しては、



上に掲げたとおり、



重力及び強い力の非対称性によって生じる可能性だけは重要な観点である。







そして、



何よりそれが、



質量をもたらすヒッグス機構との関連があると考えることは妥当なためだからである。







この件に関しては、



今後地上においてはLHC実験やILC実験等によって明らかになるだろう。







そして、



天体観測の領野では、



宇宙背景重力波・宇宙初期のガンマー線バーストの精密観測(宇宙赤外線輻射)等によって、



明らかになっていくと思う。

   

 




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