ユングは知っていた
UFO・宇宙人・シンクロニシティの真相
コンノ・ケンイチ 著 徳間書店
しのび寄る「龍」の影
ここでは人類を終末戦争に導く「龍と獣の系譜」と、
そのいまわしいシナリオを警告する宇宙的な超シンクロニシティを述べてきた。
それにしても獣の上に君臨する「龍」とは、
人知を超えた魔的なパワーを有している。
フランス、
ドイツ、
ロシア革命を陰から指揮し、
第一次、
第二次世界大戦を勃発させ、
すでにバチカンも掌中にしている。
1998年の4月から始まった日本のビッグバン(金融自由化)も
彼らの世界戦略(ドル支配)が完成しつつあることを示しているが、
はたして私たち日本人は彼らのゴイム(ユダヤ教でいう家畜)になる運命なのだろうか?
陰の世界政府が世界を牛耳っていることは有識者には常識だが、
トップ(最高権威)は完全に闇につつまれている。
その代名詞とみなされているのがフリーメーソン、
ユダヤ・シンジケート、
イルミナティなどだが、
私には「当て馬」のようでピンとこない。
よくいわれるロスチャイルドやロックフェラー、
モルガン財閥も大番頭か、
それ以下の存在だろう。
「龍」の世界戦略(人類の家畜化計画)は幾数十代にわたっており、
通常の合議制によるシナリオを完全に超越しているからである。
「マタイによる福音書」がいう〈いちじくの木〉は「ユダヤ人とユダヤ教会」を暗示すると述べたが、
まさに「龍」(陰の世界政府)はユダヤ教・旧約聖書のトーラー(モーセ五書)にタルムードを加えたものが本尊であり、
ここにも聖書預言の的確さが示されている。
噂では、
最高賢哲の血統は聖ダビデ王の直系にあたり、
「聖なる預言者」である可能性も高く、
隠れたところで静かに世界戦略を練っているという。
その深い瞑想によって錬磨された「意識」は常に神の声を聞いている人物で、
アメリカ大統領でさえ会見はままならぬだろう、
とささやかれているが、
一概に笑い飛ばすことはできない。
「出エジプト記」は、
異星人による遺伝子操作の記録だった!
『龍』のルーツは、
旧約聖書のトーラー(モーセ五書=創世記・出エジプト記・レピ記・民数記・申命記)に存在する。
「出エジプト記」では紅海が真っ二つに分断されたという有名な記述に代表されるように
「ファティマ大奇跡」に劣らない奇跡現象の集大成であり、
「未知との遭遇」の具体的なドキュメント集でもある。
そこでは、
モーセに率いられたイスラエルの民が四十年間も昼は
「雲の柱」夜は「火の柱」(それらの中に神がいたという)に導かれて、
空からはマナという食べ物が撒き与えられ、
常に上空から監視されていた状況が克明に述べられている。
「雲の柱」、
「火の柱」とは、
まさに現代でいう葉巻型UFOではないか!
だが、
奇妙なことに、
なぜイスラエルの民が四十年にもわたって砂漠を放浪させられたのか、
肝心な目的が何も述べられていないのである。
ゴッド(整理しやすいように、
ここでは聖書の神をゴッドと表記する)の目的は何だったのか?
私は、
今ふうにいえば、
DNA操作のためだったのではないかと思う。
彼らは遺伝子的な処置をほどこされ、
他人種との混血を防ぐため四十年間砂漠を放浪させられたのだ。
そうした観点でモーセの「十戒」を読むと、
よく意味が理解できるだろう。
その戒律は宗教(精神)的というより、
食物などの厳しい戒律に見るように、
肉体と意識を律することに重きを置いている。
そのルーツを引き継いだのが、
ダビデ、
イザヤ、
エレミヤ、
ダニエルなど旧約聖書にキラ星のごとく輩出した預言者たちで、
それを直系とする人物が現代の「陰の世界政府」の頂点に君臨する「龍」と思ってよいだろう。
卓越したユダヤ問題研究家である太田龍氏は(奇しくも名が「龍」だが)、
近著『悪魔が支配する悲劇の超大国アメリカ』(第一企画出版)で次のように述べている。
ハンコックは『神々の指紋』、
『創世の守護神』の二冊の著書のなかで、
スフィンクスと三つのピラミッドは一万数千年前に建造された、
という欧米の一部の学会の説を紹介している。
この説が事実とすれば、
その建設者は石器時代の地球人ではありえず、
現代よりもさらに進んだ科学技術力を有する異星人がそれに深く関与していた、
あるいは主体勢力だった、
としなければならない。
異星人文明の足跡はエジプトの他に中米、
南米(アンデス)、
メソポタミアにも残されているが、
何らかの天変地異によって、
これらの宇宙人は引き上げた。
エジプトにおいてのみ異星人の一隊が数千年ないし一万年地上に残り、
人類を教育し続けた。
その直系がエジプトのファラオ(王)の神官集団であるが、
やがてある時点で、
この異星人部隊も地上から姿を消した。
けれども彼らのなかのある者は宇宙から地球を管理し、
彼らの意図する方向に地球人を誘導してきた、
というふうに推理することができる。
「光」と「闇」の葛藤(人類歴史を誘導する「龍」)
太田龍氏は、
次のような事実も紹介している。
デーヴィット・アイク(『‥‥そして真理はあなたを自由にする』の著者)は、
ここに現代の秘密結社(註・陰の世界政府=ブラザーフッド)の原型を見出す。
(中略)
そして実に、
米国の国璽は1776年の独立宣言から1934年まで、
160年間表面に出ることはなかった。
1935年、
フリーメーソンの第三階級のF・D・ルーズベルト大統領、
同じくウォーレン副大統領の時代に、
堂々と、
1ドル紙幣の図柄として、
全米国民のみならず、
全世界諸国民の前に登場するまでは――。
私も若いころ旧約聖書を読んだとき、
あまりのゴッドの人間くささにへきえきした憶えがある。
「私は嫉妬深い神である」と幾度も述べているように、
人間への非情さと厳しさは徹底している。
まるで人類は鵜飼いの鵜か猿まわしの猿と同じで、
全編を通じてゴッドへの絶対的な忠誠心を要求されている。
しかし新約のゴッドは、
キリストに多くを代弁させているように「愛と慈悲」に満ちた存在である。
同じ聖書のゴッドなのに、
この違いは何なのだろう?
つまり私が言いたいことは、
旧約と新約のゴッドは宇宙知性体でも異種の存在らしいということである。
ユングも生涯にわたって聖書のゴッドと自分の求める「神」とのギャップに悩み続け、
自分にとってキリスト教の神は超越的というよりも、
むしろ権威的で、
あまりにも人間なみで世俗的な問題とかかわりすぎており、
ときには人間の欲望を駆り立てて人間を迷わせる存在とさえ思われた、
と自伝で述べている。
はっきり言ってキリスト教では旧約と新約を同居させてきたのが、
そもそもの間違いだったと私は思うが、
どうだろう。
それゆえ太古の昔から永々と続いてきた宇宙スケールでの「光と闇の葛藤」という真の絵図が、
当のクリスチャンたちにはみえてこない。
ユングは敬虔なクリスチャンだったがゆえに、
そのジレンマに悩んだのである。
ユダヤ教が新約聖書を排除したのはそれゆえで、
「タルムード」には「龍」そのものの思想である苛烈きわまることが述べられており、
「ヨハネの黙示録」が指す「龍」の原点は旧約+タルムードである。
そのシナリオを警告したファティマの超知性こそが「光の勢力」(新約のゴッド)であろう。
そのあたりを充分に見きわめないと混乱するし、
ゴッドという真の構図もみえてこない。
ここで、
「神」という存在について、
整理しておこう。
[1]聖書のゴッド=異星人。
[2]人間自身がもっている深層意識や集合的無意識を統御している存在。
[3]宇宙全体(霊界)を統御する超知性体。
[4]「創造神」と呼ばれる何者か。
これだけバラバラの存在が(重層していようが)、
すべて「神」と称されるのだから、
人によって「神」の捉え方が違うのも、
宗教をめぐる争いが絶えないのもうなずけよう。
同時代の出来事について、
その意味するところを正確に見きわめるのはむずかしい。
判断が主観的なものを一歩も出ない恐れが多分にある。
だから、
私がいま、
現代のある出来事について、いかにそれが重要に思えるからといって、
辛抱づよく聴いてくださる人たちに私見を述べようとする大胆さは、
十分承知している。
出来事というのは、
世界の隅々から寄せられるあの円い物体にまつわる噂である。
それは対流圏も成層圏も駆けぬけて、
「ソーサー、
皿、
スクープ、
ディスク、
UFO」などと呼ばれている。
そのような物体の噂ないしは実在は、
いまも言うように私には極めて重大なことと思われてならない。
だから、
私の声の及ぶかぎりの人にだけでも、
ひとつの時代の終わりにふさわしい出来事が、
人類を待ち構えていることを覚悟していただければそれで良い。
(ユング『空飛ぶ円盤』)
ユングはUFOと宇宙人の存在を信じていた
ユングのような功なり名を遂げた学者がUFO問題を扱うということは、
きわめて危険な選択だった。
晩年になって、
なぜユングは危険な賭けに出たのだろう?
ユングにとって真の孤独とは、
自分が重要と思えることを人に伝えることができないときか、
他人とは異なる許容しがたい何らかの観点を自分がもつことによって生ずると考えていた。
自伝を読めばわかるが、
ユングは一種の超能力者だったし、
自己の深層無意識に分け入ることができた珍しい人物でもあった。
UFO問題の容易ならざる実相も一般以上に熟知していたし、
人類の集合無意識が宇宙の超知性に誘導されていたことも充分に察知していた。
ユングが37歳のときには「ファチィマの大奇跡」が起きており、
晩年には歴史的なUFOウェーブ(UFO目撃が波紋のように広がっていくこと)が地球全土を巻き込み、
ユング自身も軍の高官やNASAの要人たちと頻繁に接触してUFO情報の収集を行なっていた。
だからこそユングは人類の自覚をうながすために「私の声の及ぶ人にだけでも、
一つの時代の終わりにふさわしい出来事が人類を待ち構えていることを覚悟していただければそれで良い」と、
UFO問題の重要性を人々に訴えようとしたのである。
問題は、
ユングの言う「一つの時代の終わりにふさわしい出来事」という言葉の具体的な意味だが、
ここでその問題を明らかにしていきたいと思う。
人類の深層無意識を操るものは何者か?
アメリカの著名なUFO研究家ジョン・A・キールは、
1940年代後半からアメリカに大きなUFOウェーブが発生してから可能な限りのUFO情報を集め、
1966年からフルタイムで徹底した現地調査を行なった。
その結果、
小さな新聞記事の背後に、
きわめて大きなドラマが存在することをつかんだ。
キールの主張はこうである。
人間とUFOの接触が行なわれる前には、
必ず一定の周期で点滅する光点が出現している。
われわれは歴史上の多くの記録を通じて、
光のビームが上空から関係者を照射する事件がくり返されてきたことを知っている。
有史以来、
聖書のなかにも出てくるUFO(地球外超知性)の目的は、
人間の心を無意識下において一定のプログラムで支配することだった。
点滅する光と人間との相互作用は〈宇宙照射〉と呼ばれ、
形をもたないエネルギー場みたいなもので、
〈ある種の知性体〉から放射される精神的なエネルギーをもっている。
これは神の再定義といってよい。
つまり人類は、
ある種の超知的生物のコントロールを受けている。
となるとUFOから放射される知的エネルギー場は〈ある種の神の計画〉、
もしくは人類の未来に向けた一つの目的があって、
その計画の主目的は人間の心をプログラムすることであり、
ある一定方向へ人類の進化を導こうとしていることである。
人類は何ものかによって、
私たちには見通すことのできない未来に向かって導かれている。
UFOの正体が何であれ、
人類の終わりに何が起ころうとしているのか、
いつ終わりがやってくるのか、
彼らは明確に知っている。
このキールの主張は、ユングのいう「一つの終わりの時代にふさわしい出来事が、
人類に待ち構えている」という言葉と一致している。
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